「よし俺らも帰るか、おい古泉いつまでそうしてんだよ」
可愛くもないのに可愛らしくもふーと布団に抱きつきながら立ち上がらない。
「いやあ、暖かくてつい」
「ほら帰るぞ」
「お先にどうぞ」
「お前は何してんだよ」
「別に何というわけではないのですが、暖かくてつい」
「遅くなったらもっと寒いだろ」
「わかってはいます」
なんだこいつも寒くて布団から出られないとかあるんだな。
「困ったな、でられません」
小さな子供が泥団子を固めようとするように小さく唸りながら動かない。
震えるというより、途切れながら動くが立ち上がらない。
「先に帰っててください」
にっこりと微笑んでまた唸りだす。
しばらく唸ってからいきなり噴出してなんとも間抜けだ。
「なんだかおおきなかぶみたいです」
それはどういう例えだ。気色悪い笑い方しやがって。
こうしている間にストーブの切れた部屋はどんどん冷える。
それが指先から侵食する。
「ほら出てこいよ」
「あ、そういえば、なんで確約したわけでもないのにいっしょに帰るんですか?」
「しらん、そういうものらしい」
「ううむ」
株ってみんなで引っこ抜くもんなんだろ。
「ちょっと古泉目を閉じろ」
「はい」
「今ここは体育館です、起立、気をつけ、礼、校歌斉唱。あいやいや本当に歌わなくて良いったら」
「あ、さむ」
「サムって誰だ。ほら帰るぞ」
「はい、お待たせしてすみません」
「別に、なんかそういうものらしいんだよ」
「ううむ」
そういえば結局の所、俺と古泉ってどんな関係なんだったっけ。
ああそうか部員だ。SOS団員。うん、そうだった。
「どうかしましたか?」
「別に、なんかそういうものらしい」
「はぁ」