トーストをくわえながらぼんやりとテレビを眺める。
「文字とは書いた人の心を表しているのですよぅ」
のんびりとした女性の声だ。
知ったことかと聞き流し、学校へ急ぐ。
授業終了のチャイムが響く。
「古泉ーごめんさっきの授業のノート貸してー」
いやー寝ててさー、とクラスメイトが頭を掻きながら話し掛けてきた。
「あ、おまえ古泉は」
「構いませんよ、はいどうぞ」
「おー、ありがとあとで返すわ。で田中なんか言いかけてたよな」
「あー、もういい。すぐわかると思う」
「なんだよそれ。まいいや早く写しちま。う」
「ほらな」
「あ、あの?」
「いや、別に何でも、ないよ」
何のためのリアクションかはおよそわかる。
ノートを借りにきた彼が結果として先程の授業の分のノートをとれなくても、自業自得なのだからどうでもいい。
少し冷淡に思う。
今日の部活動は朝比奈さんの新しい衣裳についての話し合い、だったので男子陣は特にやることがなかった。
女子陣営ですら実質その活動をしているのは涼宮さんだけなのだが。
ボードゲームでもしようかと思ったら彼は勉強を教えてくれと言いだした。
僕は自分のノートを取り出し、そこではたと止まる。
「どうした」
「あ、いえ」
まだ自分の字を眺めていると彼が口を開いた。
「なんだよ今更、そんなの気合いで読めるからほっとけ」
気合い……ですか。
「別にそんなのはどうでも良いから早く教えろって」
「ふぅん、教えてもらうのにその態度ですか」
「あ? なんだお前それハルヒかよ」
「ふふ」
彼はこれでいい気がしたので細かいことは放っておくことにした。