放課後の部室。
なぜか野郎二人で取り残され、おまけに無言でオセロ中。
「うーん、なるほど……」
なるほどと言いつつ絶対、戦況を理解していない間抜けな対戦者は相変わらずの笑顔だ。
「では」
先ほど無言で、と言ったがそれは俺に限ったことである。
またも見当違いなところに駒を置いた古泉は、俺の手によって引っ繰り返されゆく駒を茫然と見ていた。
「やっぱりあなたは優しいですね」
台詞まで見当違い。
「だってちゃんと付き合ってくれるでしょう」
まあ確かに相手がこれだけ弱いとやりがいは無い。
「そういうの好きですよ」
好き、という言葉に過剰反応してしまう。悶々。
「大丈夫ですか?」
「あ? ってお前顔が近い!」
「あはは、すみません」
つくづく綺麗な顔をしているなと思う。
鼓動がいやに高鳴って、むしろ自分でいやになる。
「古泉」
「はい?」
「好きだ」
あはは、あはは。笑っているのはどっちでしょう。
ここ数日、古泉のことを考え続けていた。
超能力とか、閉鎖空間とか、そういう方面で。
その結論がどうして今こういう形でまとまるのかは不明だ。
「あはは」
「本気だ」
古泉は口元に手をやって、目を細めた。
「今の話を統合するに、あなたは勘違いしてらっしゃいます」
反論しようとすると遮られた。
「客観的分析です」
「お前がどう受け取ろうが俺は本気だ」
ここでふたりいっぺんにため息がでた。
「では僕の主観も、というかお返事です」
冷たい目をしているな、と思う。
「あなたの行動が理解できません。はっきり言って不快です。気持ち悪いです」
がーん、と思った。
ここでふたりいっぺんに帰り支度をはじめた。